Anita Brookner


アニタ・ブルックナー

last updated: 11 October 2013

Biography +++

【生没】 1928.7.16 - 2016.3.10(辰年生まれ、享年87歳)
【家族】 父親はポーランド系移民。1930年代~第二次世界大戦時、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人難民を両親は家に受け入れた。
【教育】 1949年ロンドン大学キングズ・コレッジ卒業。1953年、コートルード美術研究所で美術史の博士号取得。
【仕事】 1967年、女性として初めてケンブリッジ大学のスレイド教授職に就く。
(スレイド教授職:ケンブリッジ、オックスフォード、ロンドン大学における最も古い芸術の教職)
【功績】 1990年CBE受勲

 

Bibliography +++

#1A Start in Life (1981)
『ある人生の門出 ブルックナーコレクション』 小野寺健(訳) <晶文社・2004>
#2Providence (1982)
#3Look at Me (1983)
#4Hotel du Lac (1984)
『秋のホテル ブルックナーコレクション』 小野寺健(訳) <晶文社・1988>
ブッカー賞受賞。1986年TVドラマ化。

 

翻訳書で読みました【感想】秋、スイスの湖畔に佇む「ホテル・デュ・ラック」に、ウルフ似の作家イーディス・ホウプがイギリスからやってきます。彼女は映画「プリティ・ブライド」のように逃走劇をやらかして、友人ペネロピにこのホテルで頭を冷やすよう放り込まれたのです。「ホテル・デュ・ラック」には高級ホテル並みのサービスはあるものの娯楽施設は一切ないので、休暇を静かに過ごしたい人や世間での変わり者にとってはうってつけの場所。冬を迎えるホテルにはもう客数もまばらです。旅行好きでブランド志向な目立つピュージー親子、息子夫婦に送り込まれたボヌイユ夫人、犬を連れた貴婦人モニカは常連です。孤独を感じるイーディスは愛人のデヴィッドにあてて心情を書き綴ります。客たちと交流を持つうちに、女性の生きかたを考えるイーディスの前に一人の男性ネヴィル氏が現れます。彼にもっともらしい意見を言われ、さらには求婚されてしまいます。結婚後の平凡な家庭生活に憧れるイーディスは、愛してはいなけれどネヴィル氏との結婚を決めます。
 小さなホテルの中で繰り広げられる些細な出来事をイーディスの思考・過去と織り交ぜて、淡々と語っています。読んでいると急速に進む現実を忘れ、穏やかな気持ちになってきます。読めば読むほど、味わいの出る作品なのではないかと思います。

#5Family and Friends (1985)
『結婚式の写真』 小野寺健(訳) <晶文社・1989>
#6A Misalliance (1986)
#7A Friend from England (1987)
『英国の友人』 小野寺健(訳) <晶文社・1990>
#8Latecomers (1988)
『異国の秋』 小野寺健(訳) <晶文社・1992>
#9Lewis Percy (1989)
『招く女たち』 小野寺健(訳) <晶文社・1996>
#10Brief Lives (1990)
#11A Closed Eye (1991)
#12Fraud (1992)
『嘘』 小野寺健(訳) <晶文社・1994>
#13A Family Romance (1993)
#14A Private View (1994)

原書で読みました 律儀で内気な老人George Blandは、老後を親友のPutnamと共に旅行をしようと計画していましたが、Putnamが亡くなってしまい、中途半端なまま孤独でさびしい日々を送っていました。唯一の楽しみは毎週日曜日に交わす、昔からの恋人Louiseとの電話でした。そこへアメリカからやってきた奔放で貪欲な若い女性Katy Gibbが突然現れ、灰色の日々に少し色味が差します。彼女と出会うたびに少しづつ若返っていくBlandでしたが、若い彼女とのギャップは激しく、、、。
 小説の大半がBlandの気持ちの変化や毎日の行動を描いています。淡々と彼の一日が綴ってあるので、老後のさびしさやつまらなさは伝わってくるのですが、少し退屈ですね。若い人向きではないのではないかと、思います。渋い話です。

#15Incidents in the Rue Laugier (1995)
#16Altered States (1996)
#17Visitors (1997)
#18Falling Slowly (1998)
#19Undue Influence (1999)
#20The Bay of Angels (2001)
#21The Next Big Thing (2002)
#22The Rules of Engagement (2003)
#23Leaving Home (2005)
#24Strangers (2009)

 

References +++

アニタ・ブルックナー―孤独のプリズム (現代イギリス女性作家を読む)

現代女性作家研究会 勁草書房 1992-01
by ヨメレバ
結婚しない女-アニタ・ブルックナー『秋のホテル』
80年代・女が語る (イギリス女性作家の半世紀)

伊藤 節 勁草書房 1999-09
by ヨメレバ
『異国の秋』-生涯の友人(ルース・レンデル)
ロンドンで本を読む

丸谷 才一 マガジンハウス 2001-06
by ヨメレバ