Diana Wynne Jones


ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

last updated: February 5, 2016

Biography +++

【生没】 1934.8.16 - 2011.3.26 (戌年生まれ、享年76歳)
【生立ち】 3人姉妹の長女。ギリシア神話や英文学の古典を読んで育った。子ども時代、各地を転々としたが、最終的にエセックスに落ち着いた。オックスフォード大学セントアンズ・カレッジに入学し、J.R.R.トールキンに師事。同期にP.ライブリーがいる。
【仕事】 3人の息子に児童文学を読み聞かせているうちに、ファンタジーを書き始める。

 

Bibliography +++

Changeover (1970)
Wilkins' Tooth (1973)
The Ogre Downstairs (1974)
Eight Days of Luxe (1975)
Dogsbody (1975)
Cart and Cwidder (The Dalemark Quartet1) (1975)
『詩人たちの旅-デイルマーク王国史1』 田村美佐子(訳) <創元推理文庫・2004>
Power of Three (1976)
Drowned Ammet (The Dalemark Quartet2) (1977)
『聖なる島々へ-デイルマーク王国史2』 田村美佐子(訳) <創元推理文庫・2004>
Charmed Life (The Chrestomanci Series) (1977)
『魔女集会通り26番地』 掛川恭子(訳) <偕成社・1984>
『魔女と暮らせば 大魔法使いクレストマンシー』 田中薫子(訳) <徳間書店・2001>
Who Got Rid of Angus Flint? (1978)
The Spellcoats (The Dalemark Quartet3) (1979)
『呪文の織り手-デイルマーク王国史3』 三辺律子(訳) <創元推理文庫・2004>
The Magicians of Caprona (The Chrestomanci Series) (1980)
『トニーノの歌う魔法 大魔法使いクレストマンシー』 野口絵美(訳) <徳間書店・2002>
The Four Grannies (1980)
The Time of the Ghost (1981)
『わたしが幽霊だった時』 浅羽莢子(訳) <創元推理文庫・1993><Sogen bookland・2004>
The Homeward Bounders (1981)
『バウンダーズ この世で最も邪悪なゲーム』 和泉裕子(訳) <PHP研究所・2004>
Witch Week (The Chrestomanci Series) (1982)
『魔法使いはだれだ 大魔法使いクレストマンシー』 野口絵美(訳) <徳間書店・2001>
Archer's Goon (1984)
The Skiver's Guide (1984)
Fire and Hemlock (1985)
『九年目の魔法』 浅羽莢子(訳) <創元推理文庫・1994><上下/東京創元社・2004>
@ポーリィは自身の記憶がすり替わっているような違和感を覚えた。過去にあった出来事を追っていくと、空想の世界とも思えるような記憶が蘇ってくる。9年前にある館で執り行われたお葬式、そこで出会ったトーマス・リンは実在の人だったはずなのに、誰もが知らないふりをする。彼女が真相をつかむきっかけを与えてくれたのは、本だった。

物語の中でポーリィの敵となるリーロイ一族についての考察
(こういう知識を持ったうえで読むと理解が深まりますね)

翻訳書で読みました1人の少女がたくましく成長していく姿がファンタジー風味で描かれています。作品の中で、何冊もの本がリンさんからポーリィへ送られます。『オズの魔法使い』『妖精譚』『金枝篇』などなど。それらは全てリンさんからのメッセージなわけですが、それぞれの内容を知ったうえでこの作品を読むと、より一層深い楽しみが得られるに違いありません。私も小学生の時に、こういうファンタジーをもっと読んでおけばよかったと悔やまれます。今からでもこの作品のために、登場する本を読破したいですね。小さいころからファンタジーに親しんできた人たちのために作られた上級者向けの作品といってもいいと思います。映像化されたら、ものすごく楽しめるのではないでしょうか。

Howl's Moving Castle (1986)
『魔法使いハウルと火の悪魔 ハウルの動く城1』 西村醇子(訳) <徳間書店・1997/徳間文庫・2013>
原書で読みました @3姉妹の長女として、しがない帽子屋を継ぐことしか将来の選択肢がなかったソフィーは、突然荒地の魔女によって老婆にされてしまう。そのまま家にいることもできず、飛び出したソフィーが辿り着いたのはハウルの動く城だった。
(ジブリの映画化により非常に有名になった作品ですが、原作とは結構異なっています。)

妹たちほど美人でも明るくもなく、長女という立場も相まって、ソフィーは自分の人生をすっかりあきらめていました。彼女の思いを縛り付けていたのは、「どんな物語でも3人兄弟がいたら成功するのは最後の一人」という定説。 例えば有名な童話「シンデレラ」は義理の姉2人にいじめられますが、最終的には王子と結婚します。このようなストーリーの形式を末子成功譚といい、他にも同じ形態の作品が数多く存在します。私は知らなかったのですが、ディズニー映画で有名になった「美女と野獣」のベルも3姉妹の末っ子なんです。ちなみに2011年の大河ドラマも3姉妹の末っ子、お江が主役ですね。私自身も長女なので、こう書いているとどんどん気持ちが暗くなってきますが、ソフィーはそんな悲しい定説を裏付けるための主人公ではありません。老婆になったことで様々な呪縛から解き放たれ、積極的になり、どんどん自分の気持ちを表せるようになっていきます。将来が幸せかどうかは、末っ子だとか美人だとかで決まるのではありません。自分の想いに正直に生きていけば、最高の幸せが手に入れられるということをソフィーは体現してくれました。

A Tale of Time City (1987)
The Lives of Christopher Chant (The Chrestomanci Series) (1988)
『クリストファーの魔法の旅』 田中薫子(訳) <徳間書店・2002>
Wild Robert (1989)
『いたずらロバート』 槙朝子(訳) <ほるぷ出版・1992>
Chair Person (1989)
Castle in the Air (1990)
『アブダラと空飛ぶ絨毯 ハウルの動く城2』 西村醇子(訳) <徳間書店・1997/徳間文庫・2013>
Black Maria (1991)
A Sudden Wild Magic (1992)
Hexwood (1993)
『魔空の森 ヘックスウッド』 駒沢敏器(訳) <小学館・2004>
The Crown of Dalemark (The Dalemark Quartet4) (1993)
『時の彼方の王冠-デイルマーク王国史4』 三辺律子(訳) <創元推理文庫・2005>
The Tough Guide to Fantasyland (1996)
Deep Secret (1997)
『バビロンまでは何マイル』上下 原島文世(訳) <東京創元社・2006/創元推理文庫・2011>
The Dark Lord of Derkholm (1998)
『ダークホルムの闇の君』 浅羽莢子(訳) <創元推理文庫・2002><上下/東京創元社・2006>
ダークホルム二部作の1作目。

@あらすじ・・・資本家チェズニー氏によって、魔法世界が観光地化(というか擬似冒険体験世界化)されて以来、町の田畑も荒れ果てて多くの人々が貧困に苦しんでいた。この現状を打開する方法としてのお告げで、魔術師ダークが闇の君に選ばれる。闇の君と任命された者は、その年に観光会から送られてくる人間たちに疑似体験を味わわせるため、様々に取り決められたイベントや設定を準備しなければならない。だがある手違いがあって、ダーク本人が老龍に全身を焼かれ、重症に。そのため、ダークの家族が総出でこの任務を果たすべく、大忙しで動き回る。

翻訳書で読みました 普通、正義のヒーローというものは、その使命感に押し潰されそうになりながらも、いつのまにかやる気に満ち満ちて悪と闘う・・・っていうイメージが強くありませんか?ですが、この作品で大役を任されたダークは、終始やる気がなく、しょうがないからやっている、といった感じです。そこが彼の人間性を身近に感じられて、リアリティー溢れた作品になっています。息子や娘たちも、魔法世界の行く末を左右する程の重大な任務を手伝いながらも、父親が学校への進学をなかなか認めてくれないというような非常に個人的な悩みの方が、本人たちにとっては重要なんです。このように、各々の登場人物がみんな人間味あふれていて、とても個性的です。それぞれが意思の赴くままに、あらゆる場面で動き回っているようなストーリーなんですが、最後には家族の結びつきといったものも、しっかりと感じさせてくれました。
 キャラクターの中で、一番かわいらしかったのが、グリフィンたちです。ダーク夫妻の遺伝子を入れ込んで作られたため、実の子どもと同じように育てられています。5匹いるんですが、それぞれ性格も体格も違っていて、本当に魅力的です。いまいち姿のイメージがつきにくいんですが、ドラゴンみたいなものかなと勝手に想像してます。二部作の2作目では、このグリフィンが主役ということでゼヒ読んでみたいですね。
 この作品に関しては、多くの書評をネットで検索できるので、そちらの方も参考にしてみてください。

Puss in Boots (1999)
Year of the Griffin (2000)
ダークホルム二部作の2作目。
『グリフィンの年』 浅羽莢子(訳) <創元推理文庫・2003>
The Merlin Conspiracy (2003)
House of Many Ways (2008)
『チャーメインと魔法の家 ハウルの動く城3』 市田泉(訳) <徳間書店・2013/徳間文庫・2016>
Enchanted Glass (2010)
『メルストーン館の不思議な窓』 原島文世(訳) <東京創元社・2010>

 

Collection +++

Warlock at the Wheel (1984)
Stopping for a Spell
"Chairperson", "The Four Grannies", "Who Got Rid of Angus Flint?"収録。
Everard's Ride (1995)
Minor Arcana (1996)
Mixed Magics: Four Tales of Chrestomanci (2000)
『魔法がいっぱい クレストマンシー外伝』 田中薫子・野口絵美(訳) <徳間書店・2003>