Jeanette Winterson


ジャネット・ウィンターソン

last updated: 26 October 2016

Biography +++

【生没】 1959.8.27 - (亥年生まれ)
【家族】 生後5か月で、ウィンターソン夫妻の養女となる。6歳でキリスト教に改宗、説教を書き始める。16歳の頃、レズビアンであることを自覚し、家を出た。
【仕事】 オックスフォード大学卒業後、就職面接で自らの半生を語り、それが出版社の目に留まって作家デビューとなる。
【功績】 2006年OBE勲章受章。

 

Bibliography +++

#1Oranges Are Not the Only Fruit (1985)
『オレンジだけが果物じゃない』 岸本佐知子(訳) <国書刊行会・2002>
ウィンターソンが23歳の時に書き上げた自伝的小説。ホイットブレッド賞受賞。1990年BBCドラマ化。

   

翻訳書で読みました 【感想】たいていの人がそうであるように、わたしもまた長い年月を父と母とともに過ごした。(冒頭)
 イギリス北部の工場町で、孤児だったジャネットは、狂信的なキリスト教信者の母に伝道師教育を刷り込まれて育ち、若くして早くも説教壇に立っていました。慣れ親しんだ書物といえば旧約聖書かブロンテの『ジェイン・エア』、友人は教会関係者だけという環境で暮らしてきたジャネットは、学校へ行くと異端の存在となってしまいます。母が絶対の存在であり、教会こそが自分の居場所だと信じていた彼女ですが、女性と愛し合ったことで人生の方向が一転します。教会からも、母からさえも悪魔が宿っているとなじられたジャネットは、壁を打ち破って力強く成長します。
 『オレンジだけが果物じゃない』というタイトルを見ると、J.ハリスFive Quarters of the Orangeを思い浮かべます。こちらの母親はオレンジが大嫌いで、匂いがするだけで不機嫌になっていましたが、この『オレンジだけが~』の方の母親は果物といえばオレンジだといって、ことあるごとにオレンジを与えます。このタイトルを見た友人が「おもしろそう!!」と言って、表紙をめくり目次を目にした途端、「げっ、つまんなさそう。」と落胆していました。それもそのはず、創世記、出エジプト記、レビ記・・・と各章題が旧約聖書から取られており、聖書の内容を知らない人にはまったく話がつかめないどころか、読む気まで失せてしまいます。事実私も聖書に関しては全くの無知なので、少したじろぎました。別に聖書の話がくどくど書かれているわけではないので、安心して読んでください。寓話・おとぎ話・ アーサー王伝説などがときおり、本編にうまく織り込まれています。根底に流れるのは、あたたかい母親への愛情です。最後のあたりでは、ジャネットの方が母よりも大人に感じました。

#2Boating for Beginners (1985)
#3The Passion (1987)
ジョン・ルウェリン・リース賞受賞。映画化。ナポレオンに憧れ入隊した青年と男装で働く美女の、狂気の恋愛物語。
『ヴェネツィア幻視行』 藤井かよ(訳) <早川書房・1988>
#4Sexing the Cherry (1989)
『さくらんぼの性は』 岸本佐知子(訳) <白水社・1991/白水Uブックス・1997>
1989年E・M・フォスター賞受賞。
嘘2:時間はまっすぐな一本の線である。
【あらすじ】清教徒革命、王政復古、疫病と激動の17世紀。恐ろしく巨大で強靭な「犬女」は、テムズ川で赤ん坊を拾う。名前はジョーダン。やがて出会った王宮の庭師トレードスキャントと共に船の旅へと旅立つ。同時に心の旅にも出かけ、一人の女性を追い求めて様々な時空を漂っていく。そして12人の踊る王女に出会い、初めての手がかりを得る。一方、「犬女」も息子の帰りを待ちわびながら、厳しいロンドンを生き抜く。

   

翻訳書で読みました 【感想】かなり癖のある作品です。王が処刑される現実と気球で言葉を掃除する幻想、復讐に目玉をえぐる残酷さと息子に対する純粋な愛情、ピューリタンが政権を握り、疫病がロンドンを食い尽くす、キリスト、ギリシャ神話、、、などなどあらゆる要素が組み込まれています。生々しい表現も多いのですが、それ以上に愛とは、時間の観念とはなんなのか考えさせられる作品です。A.カーターの『夜ごとのサーカス』によく似た雰囲気を持っています。

#5Written on the Body (1992)
『恋をする躰』 野中柊(訳) <講談社・1997>
#6Art and Lies (1994)
#7Gut Symmetries (1997)
#8The PowerBook (2000)
『パワー・ブック』 平林美都子(訳) <英宝社・2007>
#9Lighthousekeeping (2004)
『灯台守の話』 岸本佐知子(訳) <白水社・2007>
#10Weight (2005)
『永遠を背負う男』 小川高義(訳) <角川書店;世界の神話・2005>
#11The Stone Gods (2007)
#12Why Be Happy When You Could Be Normal? (2011)
半自伝のデビュー作『オレンジだけが果物じゃない』に隠された真実の物語。
#13The Daylight Gate (2012)
The Gap of Time (2015)

 

Collection +++

#1The World and Other Places (1998)
"The 24-Hour Dog"、"Atlantic Crossing"、"The Poetics of Sex"、"The Three Friends"、"Orion"、"Lives of Saints"、"O'Brien's First Christmas"、"The World and Other Places"、"Disappearance I"、"Disappearance II"、"The Green Man"、"Turn of the World"、"Newton"、"Holy Matrimony"、"A Green Square"、"Adventure of a Lifetime"、"Psalms"収録。
Christmas Days (2016)

 

References +++