Margaret Drabble


マーガレット・ドラブル

last updated: February 7, 2018

Biography +++

【生没】 1939.6.5 - (卯年生まれ)
【家族】 弁護士の次女。姉は作家のA.S.バイアット。姉妹で一緒に雑誌や物語を作って遊んだ。
【仕事】 ケンブリッジ大学卒業後、Royal Shakespeare Companyに女優として参加。E.ブロンテの『嵐が丘』や、オースティンの作品ほとんどに序文を書いたり、ウルフ『燈台へ』の編集、ワーズワース、アーノルド・ベネットの評論も手がけている。
【功績】 1980年、CBE受勲。オースティンやエリオットの流れを汲む伝統的小説作法で書く。
【結婚・出産】 1960年、俳優と結婚し3人の子どもをもうけるが、1974年離婚。1982年に伝記作家マイケル・ホルロイド卿と再婚。
【来日】 1980年秋、1990年春に来日。

 

Novels +++

#1A Summer Bird-Cage (1963)
オックスフォード出身の24歳、Sarah Benettが主人公。ドラブル24歳のときに執筆。
『夏の鳥かご』 井内雄四郎(訳) <新潮社・1973>
#2The Garrick Year (1964)
結婚後しばらく月日のたった夫婦の物語。ドラブルが王立シェイクスピア劇場の更衣室にいるときに書かれた。
『季節のない愛』 井内雄四郎(訳) <サンリオ・1981>
#3The Millstone (1965)
『碾臼』 小野寺健(訳) <河出文庫・1980>
「わたしのこれまでの人生をみると、いつでも、へんに自信と臆病心が裏表になっていたことがわかる。」(冒頭)
John Llewllyn Rhys Prize受賞。"A Touch Of Love"(愛のふれあい)に映画化(監督:ワリス・フセイン 出演:サンディ・デニス 1969・英)。

イギリスの小説と詩-ゴールディングからヒーニーまで』 「自立」する女
女の東と西-日英女性作家の比較研究』 母性体験の現実―『寵児』と『碾臼』

@この未婚の母を描いた作品は、ドラブルが3度目の妊娠中に執筆したものです。この作品以降、ドラブルはthe novelist of maternity(母性を描く作家)と呼ばれるようになりました。
翻訳書で読みました 「生涯でいっしょに寝た男はただ一人で、それもその時一回寝たきり」で、ロザマンドは身ごもってしまいます。ですが、父親となるジョージに何も告げず、未婚の母親の路をたどることを決心します。社会主義者の両親に、幼い頃から自立心を植付けらて育ったロザマンドは、今までまるべく人との深いかかわりは避けてきました。でも子どもオクティヴィアが生まれたことで、この子のためなら本心を出せること、隣人に頼ること、そして頼れば優しさが返ってくることを初めて知るのです。子どもを産むことに対して抱く不安、初めての産婦人科でのとまどい、我が子への尽きない愛情と心配。一人で次々と難題をクリアしていくロザマンドに、女性なら共感なしには読めない作品です。生まれ持った自信でもって、どんな不安事も乗り越えていくたくましい女性を描いたこの作品は、さわやかな気持ちで読み通せます。
#4Jerusalem the Golden (1967)
『黄金のエルサレム』 小野寺健(訳) <河出書房新社・1974>
#5The Waterfall (1969)
『滝』 鈴木建三(訳) <晶文社・1974>
#6The Needle's Eye (1972)
1972年Yorkshire Post Book of the Year Award受賞。それぞれに家庭を持った、中年男性と女性の話。男性の視点で描かれる。
『針の目』 伊藤礼(訳) <新潮社・1988>
#7The Realms of Gold (1975)
オックスフォード出身の考古学者Francisを中心にしたOllerenshaw一族の物語。
『黄金の王国』 浅沼昭子・大谷真理子(訳) <サンリオ・1980>
#8The Ice Age (1977)
『氷河時代』 斎藤数衛(訳) <早川書房・1979>
翻訳書で読みました かつては栄えた大英帝国の氷河時代が、そこに生きる人々を通してリアルに描かれています。気楽に読める話ではありませんが、英国の一時期の社会状況をよく知ることができ、いろいろと考えさせられました。主人公は大胆にも不動産に手をつけるものの破産寸前になり、田舎で暇を持て余すアントニー・キーティングです。話はまず彼の状況を説明し、同時刻に起こっているほかの人の話題へと移っていきます。事故に巻き込まれ、夫と片足を失ったキティ、アントニーの不動産仲間ジャイルズ、アントニーの元妻で多くの子どもたちを抱えるバブズ、現在の恋人で二人の娘に悩まされ苦しむ元女優アリスン、刑務所に入れられたレン、彼の恋人モーリーン。様々な人が同じ時代に、滅び行く英国の中でそれぞれの過酷な人生を歩んでいきます。最後には思わぬ展開が待ち構えています。
#9The Middle Ground (1980)
汚物処理業者の娘で、40歳になるジャーナリストKateが主人公。
#10The Radiant Way (1987)
三部作第1弾。ケンブリッジで同年だった3人、心理療法士のLiz、刑務所の教師Alix、美術史家Estherを中心に、1980年代が描かれている。
A Natural Curiosity (1989)
三部作第2弾。
The Gates of Ivory (1991)
三部作第3弾。
The Witch of Exmoor (1996)
The Peppered Moth (2001)
ある一家の4世代にわたる物語。
The Seven Sisters (2002)
The Red Queen (2004)
The Sea Lady (2006)
The Pure Gold Baby (2013)
The Dark Flood Rises (2016)
『昏い水』 武藤浩史(訳) <新潮社・2018>

Others +++

A Writer's Britain: Landscape in Literature (1979)
聖なる土地/芸術としての風景 ほか
『風景のイギリス文学』 奥原宇・丹羽隆子(訳) <研究社出版・1993>
『キャリアと家族』 <岩波ブックレット・1990>
作家、津島佑子さんとの対談。
Margaret Drabble in Tokyo <研究社出版・1991>
ドラブルが1990年3月に東京で行なった講演と対談。

 

References +++